「くらし」をつくる。

くらしをつくる。まるで生えてくるかのように。

その土地と出会った「人」がたねを蒔く。

私たち建築家が土を耕し、水をやり、しっかりと根を張るまで見守る。

そうやって生まれた「たてもの」から「くらし」がはじまっていきます。

そもそも建物を作るコトは環境に対してはただの負荷?

いつしか生まれたそんな問いに対しての答え。

「家」は人間の「巣」と言えるんじゃないないだろうか。

地球に棲む生物の一員としての人間が、
自然の営みにふさわしい「住処(すみか)」を作ることは決して不自然なことじゃない。

であるならば、より美しく、使い勝手よく、健やかに暮らせるように。
そしてそこでのくらしがあることで、
環境や社会に良い影響を与えられるようにデザインしていきたいと思うのです。

オイコス[oikos]、ギリシャ語で「家」あらわす言葉。

この[oikos]はエコロジーの[eco]、そしてエコノミーの[eco]の語源なのだそうです。
「家」単体の意味というよりは「生計」「生活」など、本来的な生物のありようを指すようです。

Ecologyはecoのlogy(学問)、生物のありようの学び。

そして、Economyはecoのnomos(法則)、生物のありようのルール。ということになります。

家をデザインすることはすなわち、生物のありようをデザインすること。